プラセンタ注射と献血──10月1日から、基準が変わりました

「前に勧められたんですけど、献血ができなくなると聞いて、やめたんです」
更年期の不調で通っておられる方から、以前そう言われたことがあります。気にしておられる方は、ほかにも何人もいました。
今日から、その心配はなくなります。日本赤十字社が献血の基準を変えました。令和8年10月1日からの適用です。今日はその中身と、受けるときの段取りをご説明します。
10月1日から、こう変わりました
これまでは、プラセンタの注射を受けた方は、期間を定めず献血をご遠慮いただくことになっていました。一度打つと、その後は献血ができませんでした。
今日からは「最後に打った日から3か月」です。3か月過ぎれば、これまでどおり献血ができます。
対象は、国内で承認されているメルスモンとラエンネックという2つの注射剤です。当院で扱っているのも、この2剤です。
以前の取り扱いは、人の胎盤を原料にしていることから、念のための措置として決められていたものです。厚生労働省の審議会が令和8年1月14日に、国内外の状況と感染リスクの評価をあらためて検討しました。その結果、3か月あけていただければ差し支えない、と判断されました。
「3か月」の数え方
数え方は単純です。最後に注射を受けた日から3か月です。打った回数や本数は関係ありません。
たとえば10月1日に打った方なら、翌年1月1日以降は献血ができます。月に2回のペースで続けておられる方も、やめた日が起点になります。
献血に行かれるときは、受付の問診でプラセンタ注射の使用歴をお伝えください。最後に打った日がわかるようにしておくと、話が早く済みます。当院で打っておられる方は、いつ打ったかをお伝えできますので、わからなくなったらお問い合わせください。
当院で扱っている2つの注射剤
メルスモンとラエンネックは、どちらもヒトの胎盤から作られた注射剤ですが、承認されている効能が違います。
メルスモンは「更年期障害」と「乳汁分泌不全」に対して承認されています。用法は皮下注射で、1回2mLです。
ラエンネックは「慢性肝疾患における肝機能の改善」に対して承認されています。こちらは皮下注射のほか、筋肉内注射もできます。
ご相談の内容によって、どちらをお使いするかが変わります。美容や疲労回復を目的にご希望される場合は、自由診療としてご案内しています。
石垣島では、更年期のご相談先が限られています。本土のようにいくつもの婦人科を回って比べる、ということができません。ですので当院では、使える手立てを一通りご説明したうえで、ご本人に選んでいただくようにしています。
受けるときの流れと注意点
診察で体調とご希望をうかがったあと、その日に打つことができます。注射そのものは短時間で終わります。お仕事の合間に来られる方も多いです。
副作用としては、注射したところの痛みや赤み、しこり、発熱、発疹などがあります。
過去に薬やワクチンで強いアレルギーが出たことのある方は、診察のときに必ずお伝えください。安全に続けるための大事な情報です。
もうひとつ。市販されている豚や馬のプラセンタのサプリメントは、今回の献血の基準とは関係がありません。飲んでいても献血はできます。注射とサプリメントは別のものとお考えください。
献血を予定している方へ
これから献血に行く予定がある方は、診察のときにそうお伝えください。打つ時期を調整できます。
たとえば「3か月後に献血ルームに行く予定がある」とわかっていれば、それに合わせて計画を立てられます。逆に、これまで献血のことが気になって踏み出せなかった方は、もうその心配をしていただく必要はありません。
プラセンタ注射(メルスモン・ラエンネック)のご相談は、LINEまたはお電話から。
今回の変更は、プラセンタの効き方が変わったという話ではありません。しかし、献血ができなくなることを気にして迷っておられた方には、ひとつの区切りになります。長く続けるかどうかを考えるうえで、ハードルが一つ下がりました。
まずは、今の不調が何から来ているのかを確かめさせてください。更年期だと思っていた症状が、甲状腺の病気や貧血から来ていることもあります。そのうえで、プラセンタを含めた手立てをご説明します。気になっておられることがあれば、何でも聞いてください。
【自由診療に関する記載事項】当院のプラセンタ注射(ヒト胎盤エキス注射剤)による美容・疲労回復等を目的とした治療は自由診療(保険適用外)です。 ① 自由診療として提供しています ② 使用する医薬品は国内正規流通品です ③ ヒト胎盤エキス注射剤には国内で承認されている医薬品があります(メルスモン:更年期障害、乳汁分泌不全/ラエンネック:慢性肝疾患における肝機能の改善)。当院における美容・疲労回復等を目的とした使用は、承認された効能・効果とは異なる場合があります ④ メルスモン・ラエンネックは国内で承認された医薬品です。米国FDA・欧州EMAにおいて、同じ目的で承認された同種の注射剤は確認されていません ⑤ 治療内容、費用、標準的な治療期間・回数については診察時にご説明します ⑥ 主なリスク・副作用:注射した部位の痛み・赤み・硬結、発熱、発疹などのほか、まれにショック(アナフィラキシー)が生じることがあります。また献血の基準上、最終使用日から3か月間は献血をご遠慮いただく必要があります(令和8年10月1日時点)。体調に変化があった場合は速やかにご相談ください。 (文責:やしのきクリニック院長・松尾和彦)




