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GLP-1をやめたあと、体重はどうなるのか──出口戦略の話
「先生、この注射、いつまで続けるんですか」 診察室でいちばんよく聞かれる質問かもしれません。体重が落ちて、服が変わって、それでもどこかに不安が残る。やめたら元に戻るんじゃないか、と。 正直に言うと、その心配は当たっています。ただし、少なくとも研究期間内では、すべてが元に戻ったわけではありません。 やめると、どれくらい戻るのか セマグルチド(GLP-1受容体作動薬という、食欲を抑えるタイプの薬です)で20週間しっかり体重を落とした人を、そのまま続ける人とやめる人に分けて調べた研究があります。JAMAという医学雑誌に2021年に載った「STEP 4」という試験です。 結果はこうでした。続けた人はさらに7.9%減りました。やめた人は6.9%増えました。差はおよそ15%です。 つまり、やめると増える。ここははっきりしています。 似た仕組みの薬(チルゼパチド)でも同じことが確かめられています。JAMAの2024年の報告では、36週間で平均20.9%減った人が、続けた人ではさらに5.5%減り、やめた人では14.0%増えました。 言いかえると、やめた人も出発点
和彦 松尾
9 時間前読了時間: 4分


「痩せたら気分が軽くなった」は錯覚か──減量とうつ症状の本当の関係
「先生、体重が落ちたら、気持ちまで軽くなった気がするんです」 医療ダイエットの外来で、ときどきこう言われます。気のせいでしょうか。それとも、体重と気分のあいだには本当に何かがあるのでしょうか。 精神科医として、そして医療ダイエットを扱う医師として、今日はこの話を整理します。 肥満とうつは、一方通行ではない まず前提です。肥満とうつ病の関係は、どちらかが原因でどちらかが結果、という単純な話ではありません。 15の追跡研究・約5万9千人をまとめた解析では、肥満のある人はその後うつ病を発症するリスクが約1.5倍。逆に、うつ病のある人がその後肥満になるリスクも約1.6倍でした。つまり双方向です。太るから気分が沈むのか、気分が沈むから太るのか──答えは「両方」です。 機序も一段だけ掘っておきます。脂肪組織は単なる貯蔵庫ではなく、炎症性の物質を出し続ける臓器です。この慢性の弱い炎症が脳に及ぶことが、うつ症状との橋渡しのひとつと考えられています。 加えて、うつになると食欲・睡眠・活動量が崩れ、体重が増える。互いを悪化させる悪循環が生まれます。 では、痩せれば気
和彦 松尾
1 日前読了時間: 4分


太るとテストステロンが下がる──男性の活力を奪う脂肪と、その出口
「なんか最近、覇気ないな」──それ、歳のせいじゃないかもしれません 仕事は普通にこなせている。健康診断も大きな異常はない。でもなぜか気力が湧かない。性欲が落ちた。朝に元気がない。体に力が入らない気がする。 40代・50代の男性からよく聞くこういった訴えを、多くの方は「歳だから仕方ない」で片付けてしまいます。しかし実際には、そこには明確なメカニズムがあります。そのひとつが、肥満によるテストステロン(男性ホルモン)の低下です。 テストステロンとは何か テストステロンは精巣で産生される男性ホルモンで、筋肉量・骨密度・脂肪燃焼・性欲・勃起機能・気力・集中力に広く関与しています。加齢とともに緩やかに低下しますが、問題は肥満がその低下を大幅に加速させるという点です。 研究では、肥満は男性においてテストステロン低下の最も重要な単独リスク因子のひとつと位置づけられています。この状態は「男性肥満関連二次性性腺機能低下症(MOSH: Male Obesity-associated Secondary Hypogonadism)」と呼ばれ、近年急増しています。 肥満が
和彦 松尾
6月28日読了時間: 5分


オンラインで完結する時代に、なぜ石垣島の医師に相談するのか
オンラインで始めるGLP-1と、対面クリニックで受けるGLP-1。何が違うのか。石垣島の医師が正直に話します。
和彦 松尾
4月27日読了時間: 3分


「GLP-1が保険で使えると聞いたけど、私は対象外でした」——そんな方へ、石垣島の医師が話すこと
石垣島でも、GLP-1受容体作動薬による肥満治療が保険適用で受けられるようになりました。地元紙でも報道があり、気になっている方は多いと思います。ただ診察室では、「条件に当てはまらなかった」という声を耳にします。 保険適用の条件は、思っているより厳しい 正直に言うと、保険でGLP-1を使えるのはかなり限られた方です。BMI 35以上、あるいはBMI 27以上でも高血圧・糖尿病・脂質異常症といった合併症が複数ある——そのうえで6か月以上の食事・運動療法を行っても改善しなかった記録がないと対象になりません。 「少し太ってきた」「健康診断で引っかかった」「あと10kg落としたい」という方は、まず保険の対象にはなりません。制度の設計がそうなっているのです。 保険適用の主な条件(参考) BMI 35以上、または高血圧・糖尿病等の合併症が2つ以上あってBMI 27以上 6か月以上の食事・運動療法の実施記録がある 専門的な肥満症治療を行う医療機関での管理下にある 「対象外=諦める」ではない 保険が使えないと聞くと、「じゃあ仕方ない」と思う方が多いですが、それはも
和彦 松尾
4月8日読了時間: 3分
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